ドラマ「水中花」

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ドラマ「水中花」

松坂慶子が主演したドラマ「水中花」は、1979年にTBS「木曜座」枠で放映されていたドラマです。原作は五木寛之の小説で、五木は主題歌の作詞も手掛けています。このドラマで松坂慶子は、バニーガールの衣装で登場し、番組の主題歌「愛の水中花」を自ら歌唱しています。松坂自身も女優として、また歌手としても最もブレークした作品ともいわれました。主題歌は「オレたちひょうきん族」のコントや「とんねるずのみなさんのおかげです」の「保毛田保毛男」のコントやアイカ工業、ミスタードーナツ等のCMで替え歌として使用され、話題となりました。

ストーリー

ひき裂かれた絵
森下梨絵は堅実な速記者として、母・和江と妹・美絵との三人暮らしの生計を立てていました。ある日の午後、美絵が西条と名乗る男を連れて帰ってきます。西条は銀座のビルのオーナーであり、美絵はそのビルに入っている画廊の作品をナイフで切り裂いたというのです。実は彼女たち姉妹の亡き父・竜崎謙之助は著名な画家で、森下家はその愛人と忘れ形見の2人の娘による家族だったのです。美絵が破いた絵はその父の作品でした。西条は絵の弁済として500万円を請求してきます。これを聞いた梨絵はパニックに陥り、何とか弁済の件は後日改めて話し合うことにしたものの、その日の夕方からの業界紙の対談の取材には遅刻してしまいます。それにより大物の対談者の怒りを買ったばかりか、挙句の果てにはテープと速記メモを帰りのタクシーに置き忘れ、紛失してしまうという大失態を犯してしまいます。これを知った速記依頼者の今野達也は激怒します。しかしセクト(新左翼)上がりで悪を悪と思わない今野は、梨絵の記憶を頼りにしながらその対談をでっち上げるという荒業に出るのでした。凄絶に生きる今野の姿に魅力を感じた梨絵でしたが、この際に不用意に付け加えた文言が元で今野は闇の筋から追われ、昼夜逃げ回る生活を余儀なくされてしまいます。これらの傍らで、梨絵は絵画の弁済方法について西条と話し合いますが、西条は彼女に知り合いの高級クラブでの「ドールシップ」と呼ばれるバニーガール姿のコーラスガールとしての仕事を紹介します。クラブのママは、梨絵の隠れた才能に目をつけ、リエという名で仕事を始めさせます。梨絵はたちまち頭角を顕し、店は大繁盛となります。
再会
そうして軌道に乗ったかと思われた梨絵の二つの仕事でしたが、ある日VIP客として店に現れたのが、先日の対談相手だった鬼島と鍋沢でした。以来鬼島は連日のように来店し、梨絵を指名して侍らすよう命令する一方、高価なプレゼントで梨絵を口説きにかかります。西条はママに、鬼島から梨絵を世話しろといわれて弱っているとこぼされます。その方法も、暴力団などではなく銀行などを使って締め上げる方式だったために西条も手出しができず頭を抱えるのでした。そんなある日、やつれ果てた今野が森下家を訪ねてきます。子供のように頼りなくすがるような目で、梨絵に頼み事をしようと思案し言い出しかねている様子。梨絵は原稿紛失事件の責任は自分にあるのだからと今野を促します。今野は逃亡に疲れ果て、梨絵が鬼島のお気に入りであることを知り、口添えを頼みたいと思っていたのですが撤回します。そんな今野の梨絵は、あなたのことが本当は好きなのかもしれないといい、キスをします。今野はこれで生きていく勇気が少し出たと言って去っていくのでした。
決意
数日後、店でママから自分の代わりに鬼島と食事を共にしてほしいと言われ、梨絵は応じます。食事の場で、鬼島から一夜でいいから自分のものにならないかと口説かれる梨絵。梨絵は今野が好きなこと、今野を自由にして欲しいことを願い出ますが、一方的な願いは聞かない主義だと言われ、ワインをあおって交渉に応じます。鬼島はその場で秘書に今野を自由にするように指示するのでした。梨絵は自宅に今夜は帰らない旨の電話を入れます。電話に出た美絵は、今野から言付かったと連絡先の電話番号を伝えます。梨絵が今野に電話をすると今野は、もう逃げなくていいという電話があったがどういうことなのか、いったい何をしたと詰め寄ります。自分の意志でやったことだから心配しないでと電話を置く梨絵。鬼島と梨絵を乗せたベンツが箱根の別荘へと向かっていきます。東名を厚木で降りたあたりで秘書が尾行するオートバイに気付きます。車を止めて先行させますが、オートバイも止まりました。追って来たオートバイは今野でした。今野は鬼島に、梨絵を解放しないと鬼島と鍋沢の政財界のあらゆるスキャンダルが表に出る手筈になっていると脅します。拳銃で撃とうとする秘書に、今野はやれるものならやってみろ、初戦損得でしか動かない人間と何もない人間の差がここにあると息巻くのでした。「ドール・シップ」にはもう出ないほうがいいと言いながら梨絵を解放する鬼島。梨絵は今野のオートバイにまたがって引き返していきます。翌朝、美絵から西条に昨夜梨絵が外泊したと電話が入ります。まさか箱根あたりじゃないだろうなと怪しむ西条に、上野駅で今野とだと美絵は報告します。今野は、セクト仲間がやっている果樹園で働きながら小説やシナリオを勉強するため山形へと旅立ったのでした。美絵は西条を食事に誘います。西条は、「ドール・シップ」は今年いっぱい持たないかもしれないなと考えながらいそいそと出かけていくのでした。

登場人物

森下梨恵・・・松坂慶子
堅実な速記者として母子3人の森下家を支える25歳のOL。妹の美絵が引き起こした絵画破損事件をきっかけに、弁済費用の工面策として銀座のクラブ「ドール・シップ」のレディ・ドールという夜の仕事を始めます。また、同日に起きた取材記録紛失事件が元で今野達也に好意を抱くようになりました。
森下美絵・・・友里千賀子
19歳になる梨絵の妹。物心つく前に父の謙之助が他界したために父親の愛情を知らず、亡き父や竜崎家の存在を憎んでいます。性格自体は天真爛漫で明るい性格です。
森下和江・・・吉行和子
竜崎謙之助の元愛人で、梨絵と美絵の母親です。慎ましやかな性格をしています。謙之助亡き後、謙之助の忘れ形見である梨絵と美絵とともに3人でくらしています。
竜崎謙之助
戦後の一時期、モダニズム系の作家や詩人たちとグループを作って活動し、やがて人気作家とトリオを組んで精力的な仕事をした物故画家です。15年前に中南米を旅行中、ボリビアの山中で射殺体で発見されました。作品は本人が画商と関わりを持たなかったことや死後に未亡人がほとんどの遺作を買い戻して所蔵しているためほとんど出回っていません。
今野達也・・・近藤正臣
「運輸観光タイムズ」という赤新聞を1人で編集発行しているフリーライター上がりの記者です。政財界の怪物である鬼島と鍋沢の対談記事を規格しますが、梨絵に速記録を紛失されてしまいます。梨絵の記憶を元に対談記録をでっち上げるという荒業に出て、それがもとで逃亡生活を余儀なくされました。
西条裕一郎・・・船越英二
銀座で貸しビル業を営むオーナー。場所柄夜の蝶の世話をすることが非常に多く圭子もその一人でした。夜の女としての梨絵の才能を見抜き、クラブ「ドール・シップ」のレディ・ドールという仕事を紹介します。
山路圭子・・・田島令子
三年前のクラブ勤めから足を洗い、銀座で「キュリオ」という画廊兼コーヒーショップのような店を経営しています。西条の紹介で畑中の画廊から預かって飾っていた謙之助の作品を美絵にナイフで切り裂かれてしまいました。
畑中徹・・・仲谷昇
西条のビルで「ギャラリー・ハタナカ」という画廊を経営しています。
鬼島六造・・・中丸忠雄
政界の怪物といわれる大物です。取材後、「ドール・シップ」で梨絵に再会し、梨絵を自分のものにしようとたくらんでいます。
鍋沢武則・・・田中明夫
財界の怪物といわれる大物です。取材に遅刻した梨絵を責め、破廉恥な行為に及びました。
レディ・ドールたち
「ドール・シップ」のレディ・ドールの同僚たちです。端役時代の浅野温子が出演しています。
  • サチ・・・浅野温子
  • ミユキ・・・浅野理恵
  • ローズ・・・伊藤明子

スタッフ

  • 製作・・・テレキャスト・TBS
  • 原作・・・五木寛之
  • 脚本・・・岩間芳樹
  • 音楽・・・小松原まさし
  • 演出・・・山本和夫
  • プロデューサー・・・山田和也
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